ジノテフランのマウスを用いた2世代行動発達毒性試験

DOI
  • 田中 豊人
    東京都健康安全研究センター薬事環境科学部生体影響研究科
  • 鈴木 仁
    東京都健康安全研究センター薬事環境科学部生体影響研究科
  • 猪又 明子
    東京都健康安全研究センター薬事環境科学部

書誌事項

タイトル別名
  • Reproductive and neurobehavioral effects of dinotefuran in a two-generation toxicity study in mice.

抄録

<p>【目的】ネオニコチノイド系殺虫剤であるジノテフランのマウスを用いた2世代行動発達毒性試験を行い、マウスの生殖及び次世代の行動発達に及ぼす影響の有無について検討する。</p><p>【方法】ジノテフランを混餌法により0%(対照群)、0.015%(低濃度)、0.03%(中濃度)、0.06%(高濃度)となるように調製してCD1マウスのF0世代の5週齢からF1世代の11週齢まで投与して、マウスの生殖及び次世代の行動発達に及ぼす影響について検討した。</p><p>【結果】F0世代の探査行動では雄マウスの移動時間が用量依存的に延長し、立ち上がり時間及び平均立ち上がり時間が用量依存的に短縮した。出生時の平均産仔数は用量依存的に増加し、平均性比(雄%)は用量依存的に減少した。F1世代の授乳期における仔マウスの体重は21日齢の雌雄で用量依存的に増加した。F1世代の授乳期間中の行動発達では雄仔マウスの14日齢の嗅覚性指向反応の所要時間が用量依存的に抑制された。F1世代の3週齢の探査行動では雄仔マウスの総移動距離と平均移動速度が用量依存的に減少し、平均立ち上がり時間と排糞数が用量依存的に増加した。雌仔マウスでは立ち上がり関連項目が用量依存的に増加した。F1世代の8週齢の探査行動では雌マウスの排糞数が用量依存的に減少した。F1世代の自発行動では水平移動回数の経時変化は雄では平行幅が有意に異なった。</p><p>【まとめ】本実験においてジノテフランの継代投与により、親世代の探査行動や出生時の産仔数と性比、授乳期間中の行動発達や探査行動に投与によると思われる影響が観察された。本実験で用いられたジノテフランの用量はADI値を基に算出されたものであるが、人の食品からの推定摂取量(15.75μg/kg/日)はADI値(0.2mg/kg/日)の1/12以下であるので、食品からのジノテフランの摂取量では人の健康に対して影響を及ぼさないものと思われる。</p>

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390862345538126848
  • DOI
    10.14869/toxpt.50.1.0_p2-194
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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