シクロホスファミドのラット胎盤発生への影響

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タイトル別名
  • Effects of Cyclophosphamide on Rat Placental Development

抄録

<p>【目的】シクロホスファミド(CPA)のラットの胎盤における経時的な病理組織学的影響について検討した。【材料および方法】妊娠ラット(Han Wistar)にCPAを25mg/kgの用量にて、妊娠12日(CPA/GD12群)あるいは妊娠14日(CPA/GD14群)に単回腹腔内投与した。対照群には溶媒の生理食塩水を妊娠12日に投与した。これら動物は妊娠13、15、17及び21日に剖検し、胎盤の病理組織学的検査に供試した。【結果】両CPA投与群では胎児及び胎盤重量は減少し、特に、CPA/GD12群では妊娠17日以降に全胚吸収、CPA/GD14群では外形奇形が認められた。病理組織学的検査において、両CPA投与群共に、迷路層ではアポトーシス及び/または細胞増殖の抑制によって選択的に合胞性栄養膜細胞は減少し、細胞性栄養膜細胞は顕著となった。栄養膜中隔の細胞密度は低下したものの、残存した合胞性栄養膜細胞が腫大することで、胎盤関門の構造は保持されていた。これら病変により迷路層は菲薄化した。基底層ではグリコーゲン細胞が減少し、間質性栄養膜細胞の間膜腺へ浸潤が抑制された。これら病変の程度は、CPA/GD12群の方がCPA/GD14群よりも重篤であった。間膜腺ではCPA/GD12群で子宮NK細胞は減少したものの、間膜腺の発達には影響は認められなかった。【考察及び結論】CPAはラットへの妊娠12または14日に投与により、迷路層において選択的に合胞性栄養膜細胞を障害することで小胎盤を誘発することが明らかとなった。</p>

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390862345538186752
  • DOI
    10.14869/toxpt.50.1.0_p2-197
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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