生物学的老化のメカニズムと介入:タンパク質の酸化修飾と代謝回転からの視点

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タイトル別名
  • Mechanism and Intervention of Biological Aging: A Perspective from Oxidative Stress and Metabolic Turnover of Proteins

抄録

<p>人口の高齢化に伴う高齢者の健康上の諸問題は社会的・経済的負担を増し先進諸国の共通の課題となっている。その背景には老化という複雑かつ不可避の4生物現象が存在する。本小論ではタンパク質の酸化傷害およびその代謝回転の加齢変化に焦点をあてて老化のメカニズムと老化介入についてモデル動物のラット・マウスを使った研究の現状を解説する。加齢に伴いタンパク質分解酵素プロテアソームの質的変化が生じ、タンパク質の分解半減期が延長する。このため酸化などで修飾された機能不全タンパク質が蓄積しやすくなる。この変化が老化メカニズムとして重要と考える。老化介入に関しては食餌制限と定期的運動の老化介入メカニズムについて述べる。タンパク質およびその代謝の加齢変化は中老齢期の食餌制限および定期的運動によってかなりの程度若齢化する。これらの知見にもとづいて抗酸化剤摂取やホルモン補充療法といったいわゆるアンチエイジング医療が注目される現状に批判的な立場から討論する。</p>

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