De novo DSA産生に影響を与える因子比較―免疫抑制療法vs. Epitopeミスマッチ
抄録
<p>【目的】腎移植後長期フォロー患者におけるDSA-DR/DQの発生に対する危険因子を明らかにするための検討を行った。【方法】2001年以降腎移植施行後の長期フォロー患者210名に対し、Luminex法による抗HLA抗体検査と、HLAアリル型に基づくde novo(dn)DSA判定を行った。DSA検査直近1年の外来タクロリムス(Tac)トラフ値、ミコフェノール酸モフェチルまたはエベロリムス服用の有無、HLAマッチメーカーによるEpitopeミスマッチ数及びPIRCHE解析のスコアからdnDSAとの関連性を統計学的に評価した。【結果】DSA-DR陽性は5名、DSA-DQ陽性は15名であった。dnDSA累積発生に対するカプランマーヤ―解析では、Epitopeミスマッチ数5以上(HR6.02, p=0.006)、PIRCH IIスコア24以上(HR3.67, p=0.041)で有意に産生率が高く、Tacトラフ平均値3.6ng/mL以上(HR0.0.31, p=0.025)で有意に低かった。比較した他の因子に有意な差は無かった。重回帰分析から、Epitopeミスマッチ数5以上及びTacトラフ平均値低値がDSA-DR/DQ産生の有意な危険因子として抽出された(各々HR6.99及びHR0.346)。【考察】dnDSA産生を回避するためには、Epitopeミスマッチ数を考慮したドナー選択と移植後Tac血中濃度の適切なコントロールが重要であることが示された。</p>
収録刊行物
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- 移植
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移植 58 (Supplement), s120_2-s120_2, 2023
一般社団法人 日本移植学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390862623768404096
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- ISSN
- 21880034
- 05787947
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可