経済成長と「起業家活動の国民的体系」

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  • Economic Growth and “National Systems of Entrepreneurship”

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抄録

今日の日本経済は、1990年代初頭の「バブル」崩壊以降、繰り返される危機に遭遇し、かつまた低成長率を継続し、長期停滞の状況にある。かかる状況の打破に向けて創業・起業・スタートアップ等を中心とする起業家活動(entrepreneurship)の推進が官民挙げて提唱され、多くの努力が多様な政策分野において行なわれている。しかしながら、そのような課題の基礎的論点であるはずの、そもそも起業家活動とは何であり、起業家活動がなぜ、いかに経済成長を可能とするのかという問題は、多くの場合いわば自明のこととしてほとんど検討されて来ていない。本稿は、かかる問題を主題として取り上げ、そのための基礎的作業として、先行研究を米国のSmall Business Economics誌等に見られる研究成果に求めた。その結果、意義ある接近方法としての「起業家活動の国民的体系(national systems of entrepreneurship)」に注目し、その批判的検討を通じて、現代の日本経済における「起業家活動の国民的体系」と評価しうる対象を模索し、それが、「高度成長期産業・企業構造」であることを確認し、それについての今後の研究の方向性を展望した。

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