頸部神経鞘腫の長期経過観察中に血管肉腫に悪性転化した一例

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タイトル別名
  • A case of malignant transformation to angiosarcoma during long-term follow-up of a cervical schwannoma

抄録

神経鞘腫が血管肉腫に悪性転化した1例を報告する。症例は46歳の男性,左頸部腫瘍の増大と頭痛のため当院を受診した。CT画像では,左胸鎖乳突筋の深部に長径約80mmの腫瘤性病変を認め,境界は明瞭で辺縁の造影効果が強いが,内部は出血や壊死の可能性を示す広範な低吸収領域を認めた。細胞診では悪性細胞が検出されたが,病理確定診断には至らなかった。診断と治療の目的で腫瘍切除を施行したところ,神経鞘腫と血管肉腫が併存しており,神経鞘腫が悪性転化した血管肉腫と診断された。手術後,早期再発腫瘍からの出血が持続し,止血に難渋したが,化学放射線療法にて止血に至った。その後のパゾパニブ投与により部分奏効(PR)が得られ,10ヶ月間PRを維持している。神経鞘腫は急速な増大や疼痛などの症状が認められた場合に,悪性化の可能性を念頭に置き,切除をより強く推奨することが必要と考えられた。

収録刊行物

  • 頭頸部癌

    頭頸部癌 50 (1), 27-32, 2024

    日本頭頸部癌学会

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390863097401548544
  • DOI
    10.5981/jjhnc.50.27
  • ISSN
    18818382
    13495747
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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