結核性肘関節炎の1例

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抄録

<p>【はじめに】肘関節に原発した結核性関節炎の1例を経験したので報告する.【症例】23歳男性.誘因なく右肘痛が出現,近医整形外科で保存加療を施行されるも改善なく,発症約1か月で当科紹介受診された.発熱があり,右肘関節の腫脹・疼痛・熱感を認め可動域制限があった.X線で特記所見なく,MRIで肘関節の前方・後方に及ぶ腫瘤状病変(T1低信号,T2中等度~高信号)を認めた.CTで胸部病変は認めなかった.血液検査では炎症反応上昇を認め,結核菌特異的IFN-γは陰性であった.外来で穿刺するも引けず,後日に病巣掻爬術を施行したところPCR検査で結核菌陽性であった.結核性肘関節炎の診断で抗結核薬を約9か月間内服され治癒に至った.最終経過観察時,右肘関節痛や可動域制限は認めなかった.【考察】結核性関節炎は稀な疾患で予後不良であり,早期加療開始のために鑑別疾患として念頭に置き,血液検査や抗酸菌検査に加えて結核菌PCR検査を行う必要がある.</p>

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390863097403103488
  • DOI
    10.5035/nishiseisai.73.333
  • ISSN
    13494333
    00371033
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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