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- 安井 大輔
- 立命館大学マネジメント学部
書誌事項
- タイトル別名
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- Food Choice and Social Activity
- 食選択と社会に働きかける活動 : 国産食品とオーガニック食品の購入をめぐって
- ショク センタク ト シャカイ ニ ハタラキカケル カツドウ : コクサン ショクヒン ト オーガニック ショクヒン ノ コウニュウ オ メグッテ
- ――On the Purchase of Domestic and Organic Foods――
- ――国産食品とオーガニック食品の購入をめぐって――
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説明
<p>本稿の目的は、それを選択することがよいとされる倫理的商品の消費とより良い社会の実現をめざして働きかける活動(社会活動)との関係を検討するために、食品選択について計量社会学的に分析することである。 社会階層論におけるライフスタイル研究は、食生活が貧富の差や地位の違いに規定されることを示してきたが、人間は社会構造に規定されるだけでなく、自ら社会を形成する行為主体でもある。欧米では食を通して社会を変える主体として大都市で政策提案などにかかわるフード・シティズン(食市民)の概念が提唱されている。日本でも食をめぐる社会課題が存在しているものの、倫理的消費を行っている人が、誇示的消費だけでなくより良い社会の実現をめざす活動を行っているのかは先行研究では明らかにされてはいない。 よって受動的な購買にとどまらない、食の選択と社会活動の関係を探るべく、二〇一五年SSM調査データから国産食品とオーガニック食品の優先的な購入と属性や階層的地位、居住地域、社会活動との関係について計量分析を行った。 結果、性別や学歴、世帯収入の差によって、両食品の購入には違いがあることが確認された。そして順序プロビットモデルによる分析から、国産食品購入者は自治会・町内会活動、オーガニック食品購入者は市民運動とボランティア活動に積極的であることがわかった。この結果は、属性や階層的地位をコントールしても有意であった。 分析結果より購入食品の種類によって異なる社会活動に参加している実態を示すとともに、欧米とは異なる日本型フード・シティズンのモデルを提案した。食品選択は社会構造に従属的に影響されるだけでなく社会への働きかけともつながっているのである。</p>
収録刊行物
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- ソシオロジ
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ソシオロジ 65 (3), 59-78, 2021-02-01
社会学研究会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390863716560555008
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- NII論文ID
- 40022534728
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- NII書誌ID
- AN00134944
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- ISSN
- 21889406
- 05841380
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- NDL書誌ID
- 031376263
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- NDLサーチ
- CiNii Articles
- KAKEN
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可