沖縄モズク養殖に係る作況予察手法の検討

  • 富塚 叙
    水産総合研究センター 中央水産研究所

書誌事項

タイトル別名
  • Predicting Output from the Culture of MOZUKU Seaweed in Okinawa in Order to Set Strategic Production Goals
  • 沖縄モズク養殖に係る作況予察手法の検討--戦略的生産目標の構築に向けて
  • オキナワ モズク ヨウショク ニ カカワル サッキョウ ヨサツ シュホウ ノ ケントウ センリャクテキ セイサン モクヒョウ ノ コウチク ニ ムケテ
  • 戦略的生産目標の構築に向けて

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抄録

<p>沖縄のモズク養殖は,1977年に恩納村漁業研究グループと水産業改良普及所の共同研究により,初めて水揚げが行われた。その後徐々に生産量を増やし,1999年には20,000トンを初めて超えた。現在では,全国のモズク養殖生産量の99%以上が沖縄海域で生産されている。</p><p>しかしながら,極めて粗放的な養殖であることから,気象あるいは海況等の影響を強く受ける結果,生産量の年変動は著しい。このことは,逆に気象あるいは海況変動等を把握すればある程度の作況予察が可能なことを示唆しているとも言える。</p><p>このことを検証するため,養殖場面積は大きく変化しないことを前提に,1987年から2006年の20年間を対象に,生産量を目的変数に,降水量,日照時間等を説明変数として重回帰分析を試みた。結果,沖縄モズク養殖の生産量をある程度説明できる重回帰式を得ることが出来た。</p><p>しかしながら,近年沖縄海域のモズク養殖漁場が急速に拡大しているという観測があり,漁場面積そのものは変化しないという前提が覆っていると考えられることから,今後とも当該重回帰式をそのまま用い,モズク養殖の作況予察や戦略的生産目標の設定を行うことはリスクが高く,将来に向け最善の作況予察手法を継続的に検討していく必要がある。</p>

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