食品の物性そして水-水分活性とガラス転移

  • 熊谷 仁
    共立女子大学家政学部食物栄養学科

書誌事項

タイトル別名
  • Physical Properties of Foods and the Effect of Water on Them-Water Activity and Glass Transition
  • ショクヒン ノ ブッセイ ソシテ ミズ-スイブン カッセイ ト ガラス テンイ

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抄録

<p>食品の水分活性とガラス転移に関して概説した.水分収着等温線は,食品中の水と固体成分の相互作用に関する情報を与える.水分収着等温線を溶液熱力学を用いて解析することにより,水と固体両方の熱力学的パラメータが求められる.積算ギブス自由エネルギー変化ΔGsは熱力学的観点から,固体と水との相互作用の程度評価するのに適するパラメータである.水分収着等温線の熱力学的解析によって得られるパラメータと水分収着に伴うガラス転移温度(Tg)の低下には関係がみられる.水分収着等温線から得られる熱力学的パラメータΔGsaTgの低下の程度ΔTg(≡TgTg0; Tg0は乾燥試料のTg)と高い相関を示した.言い換えれば,水のガラス状食品に対する可塑剤としての効果がΔGsaにより評価しうることになる.</p>

収録刊行物

  • 日本食品工学会誌

    日本食品工学会誌 21 (4), 161-169, 2020-12-15

    一般社団法人 日本食品工学会

参考文献 (10)*注記

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