動画像符号化の画質劣化抑制のための低域通過濾波・雑音除去装置の開発

DOI

書誌事項

タイトル別名
  • Pre-Processing Equipment of Video Codec with Functions of Low-Pass Filtering and Noise Reduction

抄録

現行の地上放送と同様の6 MHzの伝送帯域において,4Kや8Kの解像度をもつ高精細度テレビジョン動画像を約28 Mbpsで伝送する方式が検討された.この検討方式において8Kの解像度をもつ高精細度テレビジョン動画像を符号化する場合は,現行のBS8K放送の動画像符号化方式であるMPEG-H High Efficiency Video Coding/H. 265を用いた場合においても極めて高い圧縮率となるため,符号化難易度が高い動画像が入力された場合に膨大な量のブロック歪などによる大幅な符号化画質劣化が発生する.この劣化を抑制するため,符号化の前段において動画像フレームに含まれる空間周波数成分の低域通過濾波と雑音除去を行うことで符号化難易度を低減する符号化前処理技術を開発した.開発した技術を用いれば,入力された動画像の符号化難易度をフレームごとに推定し,推定値が高いフレームに対しては低域通過濾波の減衰量を大きくするように制御して符号化難易度を低減することで,多少のぼやけは伴うが顕著なブロック歪などの視覚的に影響の大きい符号化画質劣化を抑制することができる.開発した技術を装置に実装し,8Kの解像度をもつ高精細度テレビジョン動画像において空間周波数成分の低域通過濾波の減衰量をリアルタイムに制御することで,ブロック歪などの符号化画質劣化が抑制できることを検証した.実際の放送における運用を考慮した場合,この装置は放送局などの送信側の設備に設置するため家庭などの受信側に新たに装置を付加する必要がないうえ,将来MPEG-I Versatile Video Codingなどの新しい動画像符号化方式が採用された場合においてもパラメータなどを調整して用いることができる.

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1391131406293620096
  • DOI
    10.14923/transinfj.2020jdp7034
  • ISSN
    18810225
    18804535
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

問題の指摘

ページトップへ