脂溶性ビタミンナノエマルションの構造と膜透過

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タイトル別名
  • Structure of Lipophilic Vitamin Nanoemulsions and Membrane Permeability
  • シヨウセイ ビタミンナノエマルション ノ コウゾウ ト マク トウカ

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抄録

<p>ナノエマルションは,化粧品,食品,医薬品分野で機能性成分のキャリアとして注目されるが,点眼剤に応用される脂溶性ビタミンA(VA)のナノエマルションでは,乳化剤として,汎用のPOE硬化ヒマシ油(HCO)よりも,トリブロック型高分子界面活性剤(F-127:EOPO)を用いたほうが有効性は高まる傾向にある。DDSとしての観点から,有効性発現にかかわるナノエマルションの構造と細胞膜への吸着・透過挙動を検討した。HCO系に比べて,EOPO系ナノエマルションのエマルション粒子は油相界面が露出した状態にあり,細胞膜模倣ジャイアントユニラメラベシクル(GUV)や角膜上皮細胞の脂質膜にエンドサイティックな膜動を誘引し,膜に吸着した形で小胞を形成してGUVや細胞内部に取り込まれた。この機構によって,EOPO系ナノエマルションは効率的に膜透過して細胞核周辺へと輸送されることが明らかとなった。</p>

収録刊行物

  • 色材協会誌

    色材協会誌 93 (10), 315-320, 2020-10-20

    一般社団法人 色材協会

参考文献 (1)*注記

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