KRAS<sup>G12C</sup>阻害剤として世界で初めて臨床で効果を示したAMG-510の創製
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- 佐藤 亮
- 大日本住友製薬(株)リサーチディビジョン化学研究ユニット第2グループ
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説明
グアノシントリホスファターゼであるKRASの変異は,ヒトのがん細胞のおよそ1/4に認められる.KRASは増殖シグナル伝達の上流に位置しており,G12Cなどの変異がKRASに生じると,シグナル伝達経路が恒常的に活性化し,細胞のがん化が引き起こされると考えられている.このように,変異型KRASの阻害剤は有望な抗腫瘍剤のターゲットであるが,KRASの発見から30年以上経過した現在においても,これを標的とする薬剤の開発は成功していない.<br>本稿では,KRAS阻害剤として初めてヒト臨床試験で効果が示されたAmgenのG12C変異KRAS(KRASG12C)阻害剤AMG-510の探索研究について紹介する.<br>なお,本稿は下記の文献に基づいて,その研究成果を紹介するものである.<br>1) Lanman B. A. et al., J. Med. Chem., 63, 52-65(2020).<br>2) Ostrem J. M. et al., Nature, 503, 548-551(2013).<br>3) Patricelli M. P. et al., Cancer Discov., 6, 316-329(2016).<br>4) Shin Y. et al., ACS Med. Chem. Lett, 10, 1302-1308(2019).
収録刊行物
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- ファルマシア
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ファルマシア 56 (12), 1131-1131, 2020
公益社団法人 日本薬学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1391975276374883712
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- NII論文ID
- 130007948652
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- ISSN
- 21897026
- 00148601
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可