n-アルカンを炭素源とした酵母培養 : (第1報)回分培養

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タイトル別名
  • n-アルカンを炭素源とした酵母培養-1,2-〔英文〕
  • n-アルカン オ タンソゲン ト シタ コウボ バイヨウ 1 , 2 エイブン
  • Cultivation of Yeast Cells by Using n-Alkanes as the Sole Carbon Source : (I) Batch Culture
  • n-アルカンを炭素源とした酵母培養-1,2-〔英文〕

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抄録

これまで石油系炭化水素を利用する醗酵に関する研究の多くは, 生理学的な因子についてなされてきているが, 最も基本的な微生物による炭化水素取込みの機構や菌体増殖におよぼす機械的操作条件に関する研究は, きわめて少ない.そこでまずn-アルカンを炭素源として, 土壌より分離したCandida guilliermondiiの一菌株(Y-8)を振とうフラスコおよびベンチスケールファーメンターで回分培養し, この菌の基礎的な性質を検討した.炭素源としてはドデカンからペンタデカンまでを主成分とするn-パラフィンの混合物を使用した. 対数増殖期における比増殖速度μ_xは0.14hr^<-1>を示したが, これは初期のn-パラフィン濃度(0.05~5.0vol%)によらず一定であった. 最大菌体濃度は基質の初期濃度が1.0vol%以下のときはじめの基質量に比例して得られ, それに基づく菌体収率は約70%であった.純粋のn-ドデカン, n-トリデカンおよびn-テトラデカンをそれぞれ唯一の炭素源として培養した結果, 比増殖速度はほとんど同じ(μ_x=0.14hr^<-1>)であったが, 菌体収量はn-トリデカンの場合にやや少なかった.菌体量を求める際に非イオン系界面活性剤を使用したが, この界面活性剤の少量を培地に添加し, 培養したところ比増殖速度は, 界面活性剤を添加しない場合より低下した. この培養経過中は油滴と菌体は離れた状態にあることが, 顕微鏡下に観察された. したがってこの菌の良好な増殖のためには, 油滴との十分な接触が必要であると思われる.呼吸速度は100~150(μl O_2)/(mg cell)(hr)であったが, これはグルコースを炭素源とした場合と大差なかった. しかし, R.Q.は0.5~0.7であった.

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