沖縄における外国籍等の子どもの支援に関する研究 ―沖縄市の事例を中心に―

書誌事項

タイトル別名
  • Research on Support for Children of Foreign Nationality in Okinawa ―Focusing on the Case of Okinawa City―
  • オキナワ ニ オケル ガイコク セキ トウ ノ コドモ ノ シエン ニ カンスル ケンキュウ : オキナワシ ノ ジレイ オ チュウシン ニ

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抄録

沖縄県は国内で人口増加率が高い自治体として知られているが、増加分の半数は外国人である。沖縄県は急速な多文化・多国籍化のなかにあり、当然、外国籍等の子どもの増加もみられる。外国籍等の子どもに対する行政支援は、主に、小学校内に設置された日本語教室における日本語指導であるが、教室の設置は沖縄島の限られた自治体の学校のみであり、宮古島や石垣島等には設置されていない。また、中学校には、日本語教室は設置されていない。本稿で取り上げた沖縄市の日本語教室をめぐる課題としては、外国籍等の子どもの受け入れ手続きを整備する必要があること、学習障害等の多様なニーズに対する支援が求められていること、日本語教室と担任との連携・協力が必要であること、授業進度の遅れと中学校での受け入れをめぐる問題等である。また、学校内の日本語教室による支援の他に、外国籍等の子どもに対する地域の支援が求められている。例えば、県内の子どもの貧困対策事業として実施されている居場所では、学習支援や配食支援等を通して、地域の子どもとつながりをつくっている。外国籍等の子どもが共生社会の一員として今後の日本社会を形成する存在であることを考えると、国籍や母語の多様化に対応しながらの支援やキャリア教育、相談支援等の包括的な提供を、地域の資源と連携し協力していくことが望まれる。

収録刊行物

  • 地域研究

    地域研究 (31), 19-34, 2024-02

    沖縄大学地域研究所

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