マルトース投与による妊婦静脈血中および臍帯動静脈血中アミノ酸動態への影響
書誌事項
- タイトル別名
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- The Effect of Maltose Infusion on Amino Acid Composition of Maternal Venous Blood and Fetal Blood in Utero
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説明
子宮内胎児発育遅延に対するマルトースの投与効果の機序を明らかにする目的で,分娩のために入院した妊婦の母体静脈血,ズルトース投与後の母体静脈血,膀帯静脈血,騎帯動脈血のアミノ酸組成,マルトース濃度,グルコース濃度,血清尿素窒素値とグルタミン酸脱水素酵素,イソクエン酸脱水素酵素,ガンマ・グルタミルトラゾスペプチダーゼの活性値を測定し,対照群と比較検討し以下の成績を得た.1)投与群の分娩時母体血と膀帯静脈血のグルコースは,対照群に比し有意な高値を示した.2)グルコースは,両群共に,入院時母体血と分娩時母体血の間を除き,分娩時母体血と膀帯静脈血,勝帯動静脈血間で有意な相関を示したが,マルトースは,勝帯動静脈庇間でのみ有意な相関を示した.3)グノレコースとマルトース間には,有意な相関は得られたかった.4)投与群の分娩時母体血で,バリン,チロシン,エタノラミンが,入院時母体血に比し有意な低値を示し,文寸照群とも有意差を示した.5)投与群の膀帯動脈血で,アスパラギン酸が対照群に比し有意な低値を示した.6)投与群の騎帯静脈,済帯動脈で,フェニールアラニンが,対照群に比し有意な高値を示した.フェニールァラニソは,膀帯静脈血中で,マルトースと有意な負の相関を示した.7)血清尿素窒素値とグルタミン酸脱水素酵素,イソクエン酸脱水素酵素,ガンマ・グルタミノレドラゾスペプチダーゼの活性値は,投与群と対照群に有意差を認めなかった.以上より,マルトースの子宮内胎児発育遅延への効果発現には,単にグルコースの増カ日ばかりでなく,胎児内のアミノ酸動態の変化が関与していることが推測された.
収録刊行物
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- 日本産科婦人科學會雜誌
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日本産科婦人科學會雜誌 35 (12), 2339-2348, 1983-12-01
日本産科婦人科学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1540009770378643712
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- NII論文ID
- 110002189483
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- NII書誌ID
- AN00190060
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- NDLデジコレ(旧NII-ELS)
- CiNii Articles