骨架橋部へのインプラント治療を併用した両側性口唇顎裂 1 女子例の咬合管理結果

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  • Application of endosseous implants for dental reconstruction of bone grafted alveolar clefts : Report of a case with bilateral complete cleft lip and alveolus under long-term orthodontic care and therapy

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抄録

両側性完全口唇顎裂に起因する咬合異常に対し, 顎裂部への骨移植と同部へのデンタルインプラントの植立を併用した包括矯正歯科治療により, 良好な咬合形成を行い得た1女子症例の長期咬合管理結果について, 若干の考察を加えて報告する.患者は初診時 女子で, 主訴は反対咬合であった. から動的治療を開始し, 上顎左右中切歯の被蓋改善と排列を行った.側方歯群交代の経過観察を経て, 上顎歯列弓の拡大と上顎左側側切歯を抜去した後, に両顎裂部に新鮮自家腸骨海綿骨細片を移植した.この際に上顎右側側切歯を抜去した.4カ月後にマルチブラケット法にて, 永久歯咬合形成を開始した.10カ月の動的治療の後, 上顎前歯部のみ16カ月間保定した. , 顎裂部に形成された骨架橋にインプラント植立を施行した.骨移植からフィクスチャー埋入までの期間は24カ月であった. において咬合は安定していた.本症例を通して, 両側に顎裂を有する患者の咬合形成において, 上顎側切歯が先天欠如, あるいは咬合に参画できない場合で, しかも上顎側切歯部に空隙を確保して咬合形成を行う症例に対して, 本法が有効な治療法のひとつになり得ることが示唆された.

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参考文献 (29)*注記

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