蝶後頭軟骨結合の磁気共鳴映像による観察

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  • Observation of human spheno-occipital synchondrosis with magnetic resonance imaging

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鶴見大学歯学部附属病院矯正科に来院した女性患者25名について, 磁気共鳴装置を用いて頭部の矢状断での後頭蓋底の蝶後頭軟骨結合を撮像し, 以下の結果を得た.1. 8∿9歳では, 蝶後頭軟骨結合は後頭蓋底の上縁から下縁にわたって斜台にほぼ垂直方向に走る境界不鮮明な灰白色を示す低信号帯と, 濃い灰色を示す無信号帯が同方向に走る3層構造として観察された.2. 11∿13歳では, 蝶後頭軟骨結合はかなりの変異を示した;1) 低信号帯が後頭蓋底の上縁から下縁にわたって縫合部全体にみられるもの, 2) 後頭蓋底の上縁では骨化によると思われる閉鎖を示すが, その下部では低信号の帯状構造がみられるもの, 3) 上縁と下縁は閉鎖を示すが内部に低信号の塊状物が残存するものや, 4) 失われてしまったものまで観察された.3. 成人では蝶後頭軟骨結合部は完全に失われ, 骨髄組織や脂肪組織に置換されているものと思われた.以上から, 蝶後頭軟骨結合の磁気共鳴映像の観察は後頭蓋底の成長について有効な情報を与えてくれるものと思われる.

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