油脂の熱酸化におよぼすトコフェロールとシリコーン油の効果
書誌事項
- タイトル別名
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- Effects of Tocopherol and Silicon Oil on the Thermal Oxidation of Oils
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説明
大豆油,大豆微水添油,大豆硬化油,オリーブ油,高オレイン酸サフラワー油,ならびにオレイン酸メチルに加熱前および加熱後1, 3,5,10および20時間目にトコフェロールを単回,あるいは経時的に添加し,前三者の油脂は30時間,オリーブ油と高オレイン酸サフラワー油は10時間,オレイン酸メチルは5時間後の熱酸化度を調べた。1.加熱5時間後に1%トコフェロール(Toc)アルコール溶液の0.1,0.3,0.5および1.0 mlを単回添加したそれぞれの大豆微水添油の熱酸化度(アニシジン価,カルボニル価)は,Tocの添加量が多いほど低い。単回添加時のToc量と経時添加したToc総量が同じであれば,油脂の熱酸化防止効果はほぼ同じであった。2.大豆油では加熱前にTocを添加したものが熱酸化度は最も低く,ついで,1,3および5時間後の添加油で,10時間後の添加では熱酸化防止効果は低い。大豆微水添油では1時間後にTocを添加したものが油脂の熱酸化度は最も低く,10および20時間後の添加では熱酸化防止効果は低い。大豆硬化油ではToc添加による油脂の熱酸化防止効果は認められない。3.オリーブ油および高オレイン酸サフラワー油の熱酸化に対するTocの効果は,加熱後の早い段階でTocを添加した油脂ほど熱酸化度は低い。4.各Toc添加オレイン酸メチルの熱酸化度は,γ-Toc添加が最も低く,ついでToc混合物,α-Toeの順であった。5.Tocとシリコーン油併用添加と加熱後のオレイン酸メチルの熱酸化度は,それぞれの単一添加に比べて低い。いわゆるオレイン酸メチルの熱酸化防止に両者併用による若干の相乗効果が認められた。
収録刊行物
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- 調理科学
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調理科学 24 (3), 198-203, 1991-08-20
調理科学研究会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1541980095249708032
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- NII論文ID
- 110001802168
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- NII書誌ID
- AN00382866
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- NDLデジコレ(旧NII-ELS)
- CiNii Articles