Clomiphene-HMG卵巣刺激法による体外受精・胚移植法の検討

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  • Clomiphene-HMG Ovarian Stimulation in Human in Vitro Fertilization and Embryo Transfer

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抄録

高度卵管性不妊を適応として,36症例,40周期を対象に体外受精胚移植(in vitro fertilization and embryo transfer,IVF-ET)を施行した.全周期clomiphene citrate(CC) 100mg/dayを月経周期第3日より5日間内服せしめ,第7日よりhuman menopausal gonadotropin(hMG)150~300IU/dayを連日投与した.血中estradiol(E_2)及び卵胞径計測により卵胞発育を追跡し,十分な成熟の確認後human chorionic gonadotropin(hCG) 5,000IUを筋注し,腹腔鏡下に採卵を行つた.更にIVF予定患者13症例,14周期をcontrol群とし,CC-hMGによりIVF群と同様の卵巣刺激を行い,luteinizing hormone(LH) surge開始時間と血中E_2及び卵胞径との関係を検討した. control群のLH surge開始直前のleading follicleの最大径は20.2±0.7(Mean±S.E.)mmであり,卵胞1個あたりの血中E_2値は384.1±16.3pg/mlであつた. IVF施行40周期におけるhCG投与前のleading follicleの最大径は20.6±0.3mmであり,卵胞1個あたりのE_2値は305.8±13.3pg/mlであり,またhCG投与直後では各々21.5±1.8mm,403.0±19.2pg/mlであつた.採卵時の卵胞の大きさに関し検討した結果,吸引卵胞液量3ml以上の卵胞が,採卵率,成熟度の高い卵の得られる割合,受精率及び分割率とも全て良好であつた.IVF40周期の成績は,152個(3.8/周期)の卵が採取され,96個(63.2%)が受精し,79個(52.0%)が分割した.35周期(87.5%)において,平均2.3個の分割卵が得られ,その全ての周期において胚移植を行つた結果,3周期に妊娠が成立した. 以上の結果より,CC-hMG法はCC単独法と比較した場合,IVF-ETにおいて優れた卵巣刺激法であると結論づけられた.

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