顎外力による上顎複合体の変形様相に関する力学的研究 : J-フック型ヘッドギアとフェイスボウ型ヘッドギアの併用について

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  • Dynamic studies of the deflection of the maxillary complex using extra-oral force : Combination of J-hook type headgear and face-bow type headgear

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抄録

成長期における上顎前突症の患者において, 上顎複合体の回転や上顎第一大臼歯をコントロールするような顎外力がしばしば必要となってくる.本研究はヒト乾燥頭蓋を用い, 2種類の上顎顎外固定装置の特性を調べた後, 両者を同時に使用し, 上顎複合体の回転を容易にコントロールする牽引方法を探り出すことを目的としたものである.その結果, 1) J-フック型ヘッドギアーを使用した時, 上方45°牽引を境に, ひずみ分布のパターンに相違が認められ, 上顎複合体は上顎骨頬骨突起付近を中心とした片持ち梁のような構造を示した.2) フェイスボウ型ヘッドギアを使用した時, 上顎複合体の抵抗中心付近を通過すると考えられるような牽引方法が特定され, それ以外の牽引方法では, 上顎複合体に曲げ変形が認められた.3) 上方60°牽引のJ-フック型ヘッドギアとアウターボウが水平, ショートタイプ, 上方15°から45°牽引のフェイスボウ型ヘッドギアを併用し, 牽引量の比率を変化させることで, 上顎複合体の回転を比較的容易にコントロールすることが可能となった.

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