グローバル・インテグレーション2030年時代の競争優位 : 日米欧中印いずれが勝つか?(拡大する新興市場と国際ビジネス)

  • 前田,昇
    青山学院大学大学院国際マネジメント研究科

書誌事項

タイトル別名
  • The Competitive Advantage in the Age of Global Integration : Who will be the winner in 2030, US, EU, Japan, China or India?(SPECIAL TOPIC)

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抄録

学問的な視点に基づく国の競争優位については、ハーバード大学マイケル・ポーター教授(1990)やMITレスター・サロー教授(1992,1996)が1990年代に著名な著書を出版している。ビジネス面から国の競争優位を取り上げた文献としては大前研一氏(1985)が英語で書いた"Triad Power"が一世を風靡した。政策面から国の競争優位を取り上げたものとしては米国では日本との経済戦争に敗れた敗因を分析し回復への大きな手掛かりとなった1985年のヤングレポート、その後日本との競争に打ち勝ち次の競争相手である欧州やBRICsの脅威を意識した2005年のパルミサーノレポートが有名である。当論文では、従来の日米欧の3極に、近年台頭著しいBRICsの中国とインドを加えた5極の2030年頃の競争優位性を、時代がグローバルからグローバル・インテグレーションへと変遷していく中でどのような競争要素が戦略上重要となるかの視点で見極めていく。国際ビジネスの様相がどのように変革し、その中で競争優位性を出すためにはどのような競争力要素が必要とされていくのかを見出したい。大きな変革が起こりつつある産業で先進的な動きを見せ始めているいくつかの事例をもとにそれにかかわるベンチャー企業や大企業を分析し、それらに共通する予測の柱となる将来の競争力要素を見出していく。同時に国際競争に勝つためには2030年頃のグローバル組織が具体的にどのような形を持っているべきかを分析、予測し、現在との比較で具体的なイメージがわくような提言をビジネス社会に投げかけたい。また、そのような将来の国際競争の中で日本の競争力を伸ばす可能性を検討し、現状からの大きな打破の必要性と可能性を明示していきたい。これは、筆者が9年前に執筆した本(前田昇,1999)の終章で、レスター・サロー教授の「日米欧誰が勝つか?」にならって書いた「日米欧いずれが勝つか」のアップデートでもある。

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参考文献 (15)*注記

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