膣トリコモナス産生ガスのGC-MSによる成分分析

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  • Gas Chromatographic-mass Spectrometric Analysis of Gases Produced by Trichomonas Vaginalis in vitro

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膣トリコモナスの標準株および臨床分離株(計5株)をCPLM液体培地で培養し,ガスクロマトグラフィー質量分析システムを用いて発生するガスの成分分析を行った. その結果,培養中に発生するガスの中にはメタン,エタン,二酸化炭素が共通して認められた.また,株によってはエチレン,プロパン,一酸化炭素の発生も認められた.今回の分析に用いたガスは膣トリコモナスを密栓培養することによって得られたので,これらのガス成分は明らかに膣トリコモナスの代謝産物と考えられる. 本成績はあくまでもin vitroの実験に基づいているので,同様のガス産生がin vivoでも起っているのかどうか明らかではないが,トリコモナス膣炎の際に認められる帯下の泡沫中に,二酸化炭素の他メタン,エタン,エチレン,プロパン,一酸化炭素などが含まれている可能性が示唆された.このようなガス,特に低分子炭化水素化合物の生物活性については今後の研究にまちたい.

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