市販液状鎮咳剤 (通称ブロン) 乱用者の社会的, 精神医学的特徴-シンナーおよび覚せい剤乱用との比較-
書誌事項
- タイトル別名
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- Social and Psychiatrical Background of the Abusers of a Nonprescription Cough Cure Solution (Alias 'Bron')
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説明
近年わが国でも流行がみられている,一市販液状鎮咳剤(エスエスブロン液,以下ブロンと略)乱用の疫学的及び精神医学的特徴について検討を行った。本研究では,最近6年間に関東地方およびその近隣にある6つの専門施設に受診したブロン乱用症例33例を調査対象とし,本症例とシンナー乱用症例47例,覚醒剤乱用症例44例を比較することにより,その種々の特徴につき考察した。精神症状についてはブロン乱用症例33例中12例(36.4%)に幻覚妄想状態のみが,33例中13例(39.4%)に感情障害のみが認められた。また33例中5例(15.2%)には,この両者が認められ,シンナー乱用例,覚醒剤乱用例に比べ感情障害を示すものが多い傾向が明らかとなった。また感情障害は明らかな離脱症状を認めた例に特に高率に認められた。さらに今回の調査からは,社会的背景の上でも,ブロン乱用症例はシンナー乱用例および覚醒剤乱用例とかなり異なっていることが示された。
収録刊行物
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- 北里医学
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北里医学 18 677-689, 1988
北里大学
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キーワード
詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1570009752042992768
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- NII論文ID
- 110004693708
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- NII書誌ID
- AN00052147
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- ISSN
- 03855449
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- CiNii Articles