先天性横隔膜ヘルニアにおける予後予測因子としてのMRI肺-肝信号比の有用性

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タイトル別名
  • Importance of MRI Lung to Liver Signal Ratio as a Prognosticator for Congenital Diaphragmatic Hernia

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説明

【目的】先天性横隔膜ヘルニア(congenital diaphragmatic hernia, CDH)は,横隔膜の欠損部から腹腔内臓器が胸腔内に脱出する奇形である。出生前にCDHに伴う肺低形成の程度を評価することは,新生児の予後を予測する上で重要であるが,いまだに予後を的確に予測するのは困難である。予後不良例を予測する因子として考えられる5項目について,児の生命予後との関係を検討した。【対象と方法】1998年1月から2005年6月までに当院で分娩に至ったCDH13症例を対象とした。先天性横隔膜ヘルニアの診断時期,超音波による肺-胸郭比,MRIによる肺-肝信号比,肝臓の胸腔内への脱出の有無,性別の5項目について,新生児の生命予後との関係を解析した。【結果】MRIによる肺-肝信号比が2.0以上では8例中全例が生存しており生存率は100%であった。また,信号比が2.0未満では5例中1例が生存しており生存率は10%であり,両群間に有意差を認めた(p<0.005)。その他の項目では,新生児の生命予後との間に相関を認めなかった。【結論】先天性横隔膜ヘルニアの予後を左右する病態として最も重要なのは肺低形成である。MRIにおける胎児の肺-肝信号比を測定することにより肺低形成の有無を判断することができ,CDHの生命予後を予測することが可能である。

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1570009752380857344
  • NII論文ID
    110006198489
  • NII書誌ID
    AN00043827
  • ISSN
    03855759
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • CiNii Articles

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