インド産豆類を原料とする発酵食品の製造(2)

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抄録

インド産の7種類の豆を原料料として,低食塩のみそをつくる可能性について検討し,つぎの結果を得た。(1)インド産の豆類を発酵原料として使うときには,脱皮することが必須条件になる。この点で脱皮操作の困難なHorse gramは不適当である。(2)脱皮した豆を原料として5分麹,食塩5%,水分45~50%の仕込配合で28℃5日間の熟成を行なったものでは蛋白質の溶解率はSoybean 45%,Bengal gram 40%,Green gramとField gram 30%,Thur DhallとCow pea 27%,Black gram 22%であり,製品の官能審査の結果は綜合的にはBengal gramが一番よく,インド人にはThur Dhallが好まれた。この結果からBengal gramとThur Dhallの2種類の豆を低食塩みその原料として撰定した。(3)大豆の代りにBengal gramやThur Dhallのみを用いた製品では蛋白含量,脂肪含量がいずれもみその半量以下に低下する。この点を補うため,落花生を配合する低食塩みそについて検討し,脱脂大豆と落花生にBengal gramまたはThur Dhallを配合しても低食塩みその製造が可能であることを確めた。(4)製品中の食塩を減らすために胡椒と唐辛子のアルコールエキストラクトを加える試験を行ない。成分の分解速度には影響がないことを明らかにしたが,防腐効果については明らかな結果が得られなかった。(5)脱脂大豆15%・落花生50%・Bengal gramまたはThur Dhall 35%の割合で混合した蒸豆に対し原料重量で50%の米麹を加え,水分45%・食塩2%,香辛料のアルコール抽出液約1%になるような配合で28℃5日間熟成することによりみそに近い成分組成と淡色辛味噌に近い分解度を持った低食塩みその製造が可能である。

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