高感度胃粘液含量測定法の開発とその基礎的および臨床的応用に関する研究

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タイトル別名
  • Development of a Highly Sensitive Method of Determining Gastric Mucin Content and Use of the Technique on Rat and Human Specimens

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説明

胃粘膜に含まれるヘキソサミン(hexN)の高感度定量法の開発を目的として,分光学的測定法に比べ数十倍以上感度の高い高速液体クロマトグラフィー(HPLC)を用いたhexNの分別定量法を開発した。また胃粘膜hexN測定法を検討し,従来行われている胃粉末の直接加水分解物中のhexN測定より,胃粉末の抽出液を加水分解したもののhexN測定値がより優れた胃粘液含量の指標となることを見出した。上記の2つの方法を組み合せて,アスピリンまたはprostaglandin誘導体であるArbaprostil投与後のラット胃各部のhexN含量(粘液量)を測定したところ,前者では胃粘膜層の他に胃粘液ゲル層中の粘液量の減少が,後者では対照に比し胃粘液ゲル層中の粘液量に有意な変化の無いことがわかった。また本法の臨床検体への応用の可能性を示すために,ヒト胃生検中の胃粘液含量の測定を行ったところ,胃角部の粘液量が他の部位から得たものより有意に高い結果を得た。

収録刊行物

  • 北里医学

    北里医学 19 (1), 112-121, 1989-02-28

    北里大学

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