運動パフォーマンスに影響する心理的要因 : Golf の Patting について
書誌事項
- タイトル別名
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- Psychological Facters Affecting Motor Performance in Golf Putting
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説明
本稿は, 大学体育学部生を対象として, ゴルフのパッティングのパフォーマンスと奥行き知覚・筋感覚・速度見越し・誤差修正能力・不安のコントロール及び集中力との関係について検討を行ったものである。主な結果を要約すると, 次のとおりである。1.奥行き知覚においては, 手前から遠くへ移動する対象の正確な認知能力が関係している。2.筋感覚においては, 相対的に可動範囲の少ない動きの再現能力・すなわち間接の微調整の再現能力が重要となっている。3.速度見越し能力(タイミング)と誤差修正能力が高いほどパターのパフォーマンスが高い。4.不安のコントロール能力が高い者ほどパターのパフォーマンスが高い。5.パッティング試行を前・中・後期に分けて, 各々に関わってくる因子をみると, 前期に特に関係する因子はみられず, 中期・後期と関係する因子が増している。また, 全体的には, 不安のコントロールといった心の状態もパフォーマンスに影響を及ぼす要因であった。6.「広い注意」・「狭い注意の集中」はパッティングのパフォーマンスと対応するが, 妨害に対する耐性においては, 仮説と逆の結果であった。ゴルフのパッティングには, 一般的な生活場面と違う特有の注意様式があるものと考えられる。以上が主な要約であるが, ゴルフのパッティングには, いろいろな心理統制因子が影響を及ぼしていることが確認できた。今後, フィールドでの実験やパッティングを含むゴルフ特有の注意様式の測定法の検討及びゴルフの学習に関する分析などを課題としたい。尚, 本論文は, 第38回及び第39回九州体育学会において, 大浦が口頭発表したものをまとめ加筆したものである。
収録刊行物
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- 福岡女子短大紀要
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福岡女子短大紀要 40 1-9, 1990-12-30
福岡国際大学・福岡女子短期大学
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1573105976754259840
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- NII論文ID
- 110001160928
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- NII書誌ID
- AN00216335
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- ISSN
- 02860546
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- CiNii Articles