健康影響を可視化するin silico人体モデルの開発と環境設計への展開
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- 伊藤 一秀
- 研究代表者
- 九州大学
研究課題情報
- 体系的番号
- JP18H03807
- 助成事業
- 科学研究費助成事業
- 資金配分機関情報
- 日本学術振興会(JSPS)
- 研究課題/領域番号
- 18H03807
- 研究種目
- 基盤研究(A)
- 配分区分
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- 補助金
- 審査区分/研究分野
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- 中区分23:建築学およびその関連分野
- 研究機関
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- 九州大学
- 研究期間 (年度)
- 2018-04-01 〜 2022-03-31
- 研究課題ステータス
- 完了
- 配分額*注記
- 42,250,000 円 (直接経費: 32,500,000 円 間接経費: 9,750,000 円)
研究概要
本研究は,汚染空気暴露に伴う健康影響を可視化するin silico人体モデルの開発に取り組んだ.特にガス状ならびにエアロゾル状の各種空気汚染物質を対象として,呼吸に伴う経気道暴露,沈着や接触に伴う経皮暴露による人体影響を定量的に予測・評価する数理モデルを開発した上で,その数値解析用の人体プラットフォームを作成した.具体的に,経気道暴露・経皮暴露経路と人体暴露メカニズムを数理的に記述する生理的薬物動態モデルを人体モデルに統合した新たなin silico人体モデルを作成し,熱流体解析技術(CFD)と統合することで,人体-環境系の総合的な数値解析手法を確立した.
建築空間における健康影響評価のための研究手法である被験者実験は,非常に有用なデータ取得が可能である一方,その実施には倫理的制約がある.被験者実験を補完・代替する夕食な手法がコンピュータ上に人体生理を再現したin silico人体モデルによる数値実験法である.本研究では汎用的な室内環境設計に適用される既存の環境解析技術に統合可能で,経気道・経皮曝露を定量的に評価可能な全く新しいコンセプトのin silico人体モデルを開発した.この成果により,不完全混合場を対象とした局所領域環境制御を目的とする自由度の高いパラメトリック解析が可能となる.