平滑アルミナ基板と無電解純Niめっき膜の密着性と内部応力との関係

  • 伊藤 潔
    兵庫県立大学大学院工学研究科物質系工学専攻
  • 福室 直樹
    兵庫県立大学大学院工学研究科物質系工学専攻
  • 八重 真治
    兵庫県立大学大学院工学研究科物質系工学専攻
  • 松田 均
    兵庫県立大学大学院工学研究科物質系工学専攻

書誌事項

タイトル別名
  • The Relations between Adhesion and Internal Stress of Electroless Pure Ni Film on Smooth Alumina Substrate
  • ヘイカツ アルミナ キバン ト ムデンカイ ジュンNiメッキ マク ノ ミッチャクセイ ト ナイブ オウリョク ト ノ カンケイ

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説明

平滑アルミナ基板と無電解純Niめっき膜の密着性の向上を目指し,基板/膜界面に作用するエネルギ収支の観点から,密着性と内部応力との関係を検討した。そのため,両測定における単位をエネルギ(J/m2)に統一することで理想的な付着エネルギの導出を試みた。その結果,ピールエネルギGpは膜厚依存性がみられ,ピールエネルギGpはいずれの純Niめっきにおいても膜厚が増加するにつれて,低下が見られた。膜厚0.2 μm以上では,柱状晶純Niめっきが最も高い値を示し,平滑アルミナ基板との高い密着性が得られた。理想的な付着エネルギである界面付着エネルギGadはピールエネルギGpと内部歪エネルギGinの和にはならず,さらに,曲げ変形エネルギGbend,弾性変形エネルギGel,破断エネルギGfを考慮する必要がある。柱状晶純Niめっきがナノ結晶純Niめっきと比べて高い密着性が得られた理由として,内部歪エネルギ(内部応力)の極小化による基板/膜界面の空隙発生の抑制および弾性変形エネルギGel,破断エネルギGfの極小化による基板/膜界面近傍の強靭性化によるものと考えられる。

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参考文献 (36)*注記

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