喫煙者の歯周病に対するビタミンCおよびビタミンE摂取の有効性の検討

  • 永田 英樹
    大阪大学大学院歯学研究科口腔分子免疫制御学講座予防歯科学教室
  • 小島 美樹
    大阪大学大学院歯学研究科口腔分子免疫制御学講座予防歯科学教室
  • 雫石 聰
    大阪大学大学院歯学研究科口腔分子免疫制御学講座予防歯科学教室
  • 武村 あかね
    サンスター株式会社オーラルケア事業本部
  • 日野出 大輔
    徳島大学歯学部予防歯科学講座
  • 福井 誠
    徳島大学歯学部予防歯科学講座
  • 中村 亮
    徳島大学歯学部予防歯科学講座

書誌事項

タイトル別名
  • Effect of Vitamin C and Vitamin E Supplements on Periodontal Disease in Smokers

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説明

喫煙習慣は,歯周病の危険因子の1つとして認識されてきている.本研究では,喫煙習慣を有する歯周病罹患者において,ビタミンC(VC)とビタミンE(VE)の摂取が歯周病に及ぼす作用を検討することを目的とし,無作為化比較対照試験を実施した.65名(平均年齢49.5±10.5歳,女性3名を含む)の被験者はVC群,VE群,その併用群およびプラセボ群の4群に分かれ,24週間タブレット状の試験製剤の摂取を行った.その結果,VC群,VE群およびその併用群は,プラセボ群と比較して,歯周病の臨床パラメータである臨床的アッタチメントレベル(CAL)と歯周ポケット深さ(PD)において,有意な進行の抑制作用を示した(p<0.05).また,歯周組織破壊の生化学的マーカーである歯肉溝滲出液中のI型コラーゲンC末端テロペプチド(I CTP)についても測定を行った.ベースライン時と比較して24週時点でI CTPの改善・維持が認められた部位の割合を群間で比較検討したところ,併用群はプラセボ群と比べ有意に高かった(p<0.05).一方,血中のVCレベルはVC群と併用群(p<0.01)で,VEレベルはVE群と併用群で,それぞれ有意に上昇していた(p<0.05).これらの結果は,VC,VEおよびその併用摂取が,喫煙者の歯周病のリスクを低減し,歯周組織の維持に効果を及ぼす可能性を示唆している.

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被引用文献 (2)*注記

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参考文献 (27)*注記

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