プロテアーゼを利用した新規テクスチャー食品の開発について
書誌事項
- タイトル別名
-
- Development of the new texture foods with the proteases
説明
目的 高齢社会をむかえ、咀嚼困難者でも安全においしく食べられるようなテクスチャーを備えた食品の開発が望まれている。われわれは、タンパク質ゲルをプロテアーゼ溶液に浸漬することにより、その嗜好性を損なうことなくやわらかくなめらかなテクスチャーに改変することを試みている。本研究では、畜肉ゲルにプロテアーゼを作用させることで、やわらかいテクスチャーに変化させることを目的とした。<BR>方法 豚もも肉にNaClを添加してフードプロセッサーを用いて擂潰し、蒸気加熱を行った。得られた畜肉ゲルを2cm角にし、0.5%プロテアーゼN「アマノ」G(PNA)(天野エンザイム株式会社)溶液1.5mlに4℃で96時間浸漬した。これを0.5%PNA浸漬畜肉ゲル(2×2×2cm)とした。PNAを用いずに同様に作製したものを対照畜肉ゲルとした。また、畜肉ゲルを縦横2cm、高さ1cmの直方体にし、0.2%PNA溶液0.75mlに浸漬したものを0.2%PNA浸漬畜肉ゲル(2×2×1cm)とした。これらについてクリープメータ(株式会社山電)を用いた破断強度解析、SDS-PAGEによるタンパク質分解の観察を行った。0.2%PNA浸漬畜肉ゲル(2×2×1cm)は官能評価(2点比較法)を行った。<BR>結果 0.5%PNA溶液に浸漬した畜肉ゲル(2×2×2cm)の応力-歪曲線は、歪率30-80%の応力が大きく、中心までやわらかくなっていないことが示された。そこでゲルの高さを半分(2×2×1cm)にし、0.2%PNA溶液に浸漬した結果、応力-歪曲線は対照畜肉ゲル(2×2×1cm)とは異なる波形を示し、明確な破断点がなく、応力が小さかった。このことから、0.2%PNA浸漬畜肉ゲル(2×2×1cm)は中心までやわらかくなっていると考えられた。官能評価により、0.2%PNA浸漬畜肉ゲル(2×2×1cm)は対照畜肉ゲル(2×2×1cm)よりもやわらかいとされた(p<0.01)。PNA浸漬により畜肉ゲル中のミオシンヘビーチェーン、アクチンなどが分解されたことがSDS-PAGEにより観察された。
収録刊行物
-
- 一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
-
一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集 62 (0), 54-54, 2010
一般社団法人 日本家政学会
- Tweet
詳細情報 詳細情報について
-
- CRID
- 1390001205561937792
-
- NII論文ID
- 130006958960
-
- 本文言語コード
- ja
-
- データソース種別
-
- JaLC
- CiNii Articles
-
- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可