「皮ごと食べられるブドウ」の評価方法について

書誌事項

タイトル別名
  • Index of evaluation method of "the grape with husk"

説明

【目的】 近年,我が国でも‘シャインマスカット’など無核化が容易で,かつ果皮が薄いブドウ品種が登場し,「皮ごと食べられるブドウ」と表記されて販売されている。しかし,これまで日本ではブドウは剥皮を前提として食されていたため,こういったブドウを客観的に評価する手法がないのが現状である。そこで,本研究では,「皮ごと食べられるブドウ」の特性を客観的に評価する指標について,若干の知見を得たので報告する。<br>【方法】 市販されている各種ブドウを試料とした。ブドウの物性は,クリープメータ(山電,RE2-3305B)を用いて測定した。食味成分である甘味は糖度計(ATAGO,N-1)で測定,酸味は滴定により酒石酸換算の酸度を求めた。渋味に関与する果皮のタンニン量は,レーベンタール法により定量した。果皮厚はマイクロスコープ(KEYENCE,VHX-1000)にて観察,測定した。これらの測定結果と官能評価を合わせて「皮ごと食べられるブドウ」を客観的に評価できる指標を検討した。<br>【結果】 「皮ごと食べられるブドウ」の評価指標になりえる物理的な特徴は,果粒の第1破断歪率,第2破断歪率が低く,果皮の破断荷重,破断歪率が低く,破断エネルギーが小さいこと,さらに,果粒のクリープ測定による瞬間弾性率が高いことが示唆された。また官能検査により,糖度が高く,酸度とタンニン量が低く,果皮は薄いものが食味が良いと評価された。なお,本研究は京都府立大学地域貢献型特別研究(ACTR)(平成25,26年度)の支援を得ている。

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390001205693783808
  • NII論文ID
    130005481313
  • DOI
    10.11402/ajscs.26.0_24
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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