食肉流通業者による黒毛和種牛肉の官能評価と理化学的特性との関係

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タイトル別名
  • Relationships between Sensory Evaluation of Japanese Black Beef by Distribution Traders of Meat and its Physico-Chemical Characteristics.
  • ショクニク リュウツウギョウシャ ニ ヨル クロゲワシュ ギュウニク ノ カンノウ ヒョウカ ト リ カガクテキ トクセイ ト ノ カンケイ

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説明

牛肉の「美味しさ」に関与する要因を明らかにすることで,より厳密で客観的な牛肉の官能評 価法を確立するための指針を得ることを目的とし,牛肉に精通した食肉流通業者24 名のパネリストによる6 種類の黒毛和種雌および去勢牛肉(肥育出荷月齢は平均29.4 ヵ月,肉質等級4 で脂肪交雑基準No.6 および7 のリブロース芯)の官能評価と理化学分析値との関係を検討した.目視による外観評価および官能評価の各順 位についてパネリスト間のKendall の一致度係数を検定したところ,有意であり(P < 0.01),それぞれパネ リスト間でほぼ一致したが,両者間のSpearman の順位相関係数は0.414(P > 0.10)であり,必ずしも一致 せず,外観から「美味しさ」を見極めることは困難であることが示唆された.一方,牛肉の粗脂肪含量,皮下 脂肪の不飽和脂肪酸割合,脂肪融点または一価不飽和脂肪酸割合が官能評価に対して複合的に影響を及ぼすも のと考えられた.したがって,牛肉の外観よりもむしろ理化学分析値から官能特性を類推する可能性が示唆さ れたが,本研究のように肉質等級に大差がない場合,官能評価に関与する理化学的特性の明瞭な数値的指針を 特定するには至らなかった.

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