重症アルコール性肝炎に対する肝移植の適応

書誌事項

タイトル別名
  • Liver Transplantation for Severe Alcoholic Hepatitis

説明

<p>重症アルコール性肝炎は,アルコール性肝疾患の中で非常に重篤でacute-on-chronic liver failure(ACLF)/急性肝不全の病態を呈する.日本でのACLFの全国調査により37.2%の症例が重症アルコール性肝炎であることが明らかにされたが,重症アルコール性肝炎は移植以外の治療では一カ月以内の死亡は30-50%に達する予後不良な疾患である.アルコール性肝疾患に対する肝移植では従来一定の断酒期間が肝移植リストの条件とされてきたが,最近の報告で欧米を中心に断酒期間に制限されない早期肝移植の有効性が明らかとなってきた.断酒期間にとらわれず社会的・精神的背景や家族サポートを精神科・ソーシャルワーカーを含めて評価することで適切な症例選択が可能となることが報告されており,本邦でも重症アルコール性肝炎に対する肝移植の適応基準の検討が必要と考えられる.</p>

収録刊行物

  • 肝臓

    肝臓 65 (11), 533-540, 2024-11-01

    一般社団法人 日本肝臓学会

参考文献 (37)*注記

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