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- ビアルケ(當山) 千咲
- 東京経済大学全学共通教育センター
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- 柴山 真琴
- 大妻女子大学家政学部
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- 池上 摩希子
- 早稲田大学大学院日本語教育研究科
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- 高橋 登
- 大阪教育大学教育学部
書誌事項
- タイトル別名
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- How Does a Multilingual Child Perform Reading Activities?
- 複数言語環境に育つ子どもはどのように読書活動を実践してゆくのか : 社会的環境とのかかわりと言語をめぐる意識の変化に注目して
- フクスウ ゲンゴ カンキョウ ニ ソダツ コドモ ワ ドノ ヨウ ニ ドクショ カツドウ オ ジッセン シテ ユク ノ カ : シャカイテキ カンキョウ ト ノ カカワリ ト ゲンゴ オ メグル イシキ ノ ヘンカ ニ チュウモク シテ
- The Roles of Social Context and Changing Perceptions of Linguistic Proficiency
- 社会的環境とのかかわりと言語をめぐる意識の変化に注目して
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抄録
本稿は,複数言語環境に育つ子どもが,複数の言語を介した他者とのかかわりや本人の言語への意識を通して, 児童期後半以降,読書活動をどのように意味づけ,実践してゆくのかを検討した。ドイツ居住の一人の独日国際 児の事例において,4 年生から 4 年間,母親によって日誌法により収集されたデータを分析した結果,その読書 活動は次の 2 段階で進行していた。第 1 に,中等学校での成績評価の圧力の高まりを受け,これに関係のない日 本語よりドイツ語の読書を優先するように親が価値づけを修正し,ドイツ語読書を支援していた。さらに読書を めぐる友人との交流により,対象児は楽しみを経験して,継続的な読書活動を行うようになった。このような社 会的環境とのかかわりに誘発されて読書をしていた対象児は,第 2 に,①自身の将来展望における各言語の意味 づけ,②人格的自立の高まり,③認知的発達と自分の言語能力をモニターする意識という 3 点の発達により,複 数言語の読書を自律的に選択・調整するようになった。現地校の成績に関わる動機づけが強いドイツ語や英語の 読書に比べ,居住国の教育課程に組みこまれない日本語の読書は,ドイツの日常では現地校優先により縮小され たものの,日本訪問時の他者との関係や日本への愛着にも影響され,揺れを伴いつつ実践されていた。
収録刊行物
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- 質的心理学研究
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質的心理学研究 19 (1), 105-125, 2019
日本質的心理学会
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キーワード
詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390569148830694016
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- NII論文ID
- 40022214028
- 130008024024
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- NII書誌ID
- AA11647315
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- ISSN
- 24357065
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- NDL書誌ID
- 030370967
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- NDL
- CiNii Articles
- KAKEN
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可