妊婦の歯周状態に関連する因子の分析

  • 久保 枝莉
    徳島大学大学院医歯薬学研究部口腔保健衛生学分野
  • 福井 誠
    徳島大学大学院医歯薬学研究部口腔保健衛生学分野
  • 坂本 治美
    徳島大学大学院医歯薬学研究部口腔保健衛生学分野 徳島文理大学保健福祉学部口腔保健学科
  • 日野出 大輔
    徳島大学大学院医歯薬学研究部口腔保健衛生学分野

書誌事項

タイトル別名
  • Analysis of Factors Related to Periodontal Condition in Pregnant Women
  • ニンプ ノ シシュウ ジョウタイ ニ カンレン スル インシ ノ ブンセキ

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説明

<p> 本研究では妊婦と非妊婦との歯周状態の比較および関連する因子を解析することを目的とした.</p><p> 高知県における2016 ~2019年度の「妊婦への歯科保健調査」受診者3,359名を妊婦群とし,2020年度「高知県歯科疾患実態調査」の調査対象者のうち,同年代の女性316名をコントロール群とした.年齢群別に両群の口腔清掃状態や口腔衛生習慣等の項目を比較した.さらに「妊婦への歯科保健調査」のアンケート項目を独立変数,「歯周ポケット」または「歯肉出血」に関する歯周状態を従属変数とした二項ロジスティック回帰分析を行った.</p><p> 両群のアンケート項目の比較から,妊婦群では「歯ぐきの腫れ」が有意に高く,診査項目では,歯周ポケットを有する者が多かった.また,16 ~24歳の妊婦群では「歯周ポケット」と「歯肉出血」有所見者の割合が高い一方で,「喫煙者」の項目では有意差を認めなかった.さらに,妊婦群において「歯周ポケット」または「歯肉出血」の有無と「かかりつけ歯科医の有無」「歯ブラシ以外の道具使用」および「歯列咬合所見」で有意な関連性が認められた.</p><p> 以上の結果から,妊娠期に歯周組織の状態が不良となることが示唆され,妊娠中の良好な口腔状態の維持のためにかかりつけ歯科医をもつこと,および適切な補助清掃用具の使用などの歯科保健指導が有効である可能性が示された.</p>

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